2024年10月4日金曜日

2024.10.05. 英語コーパス学会 第50回大会 シンポジウム「ジェンダーと英語教育」

 https://sites.google.com/view/jaecs-2024/

10月5日

1630-1800

「ジェンダーと英語教育」 

モデレーター 佐竹由帆(青山学院大学)

シンポジスト

石川有香(名古屋工業大学)現代の英語教科書に見るジェンダー

江利川春雄(和歌山大学名誉教授)歴史的視点から見る英語教科書のジェンダー

佐竹由帆(青山学院大学)英語指導(DDL)とジェンダー


シンポジウム概要

このシンポジウムでは、英語教育におけるジェンダー問題を多角的に取り上げ、教育現場におけるジェンダー教育の取り組みを検討する。 

英語教科書に描かれる女性像は、学習者のジェンダー意識に影響を与える。そのため、教育の場においてどのような女性の表象がなされているかを分析することは、男女共同参画社会の実現に向けた重要な課題である。英語教科書における女性の役割や描かれ方が学習者の意識にどのように作用しうるのか、現行の教材を通じて考察する必要がある。 

一方、過去の英語教科書に反映されたジェンダー観は、当時の社会構造や文化的背景を反映していた。過去の教科書分析を通じて、ジェンダーに対する歴史的な意識やその変遷を明らかにすることは、現代の教育におけるジェンダー課題を再考する上で有益である。過去の教育資料から学ぶことで、現在の教育における課題を新たな視点から捉えることができる。 

またデータ駆動型学習(data-driven learning: DDL)の手法を活用したジェンダー関連語彙学習についても考えてみたい。コーパスを参照して真正な英語表現に多量に触れることで、学習者が自らジェンダーに関連する語彙や文化的理解を深めることが可能となる。単なる知識の習得に留まらず、学習者がジェンダーに対する認識をより深く、批判的に考察する力を、DDL が養成する可能性が考えられるだろう。 

本シンポジウムではこれらの視点を通じて英語教育におけるジェンダーの問題を総合的に考察し、議論を深める予定である。ジェンダーに関わる英語教育の在り方を再確認し、実際の教育活動について模索する場となることを期待している。


<石川有香資料>

2024年度に使用されている小学校英語教科書のイラスト内容をまとめたデータベースEDIT_Elem(version 1) 
http://language.sakura.ne.jp/y/gender/ETID_Elem_20241005.xlsx

2016年度に使用された中学校英語教科書のイラストの内容をまとめたデータベースEDIT(version 1)については,こちら。https://ishikawayuka.blogspot.com/2020/03/gender-and-english-education.html

また,同様の方法で,韓国の中学校英語教科書のイラストの内容をまとめたデータベースは下記になります。KATE-EDIT (version 1) https://ishikawayuka.blogspot.com/2020/07/kate-2020-korea-association-of-teachers.html

いずれもプロジェクトは進行中で,追加修正が行われます。